医療情報学は、情報通信技術(ICT)を活用して医療で取り扱う情報を研究し、医学と医療の発展に応用する学問領域です。診療の現場では、患者さんの問診情報、診察所見、検査所見などから病状を分析し診断を下します。そして治療を行い、効果を判定して、治療の継続あるいは変更を検討するといった工程を繰り返すことになります。これら一連の流れは見方を変えると情報を処理する活動といえます。昨今のICTの進歩により、病院情報システムが普及し、患者さんの診療情報はすべて電子化されるようになりました。それらのデータを統計学あるいは人工知能(AI)を活用して分析することで、診療に直結する有用な知見を比較的容易に得ることができ、診断支援、治療の有効性・安全性の評価、予後規定因子の検索など、高い精度で実現可能となります。また、ゲノム情報と連携した精密医療への応用、医学教育、病院運営などの幅広い分野で医療情報は利用できるようになってきています。
医療情報学分野では、病院情報システム(HIS)を有効活用して、徳島大学病院内での情報伝達を円滑に行い、安全・安心の診療を患者さんに提供できる環境と体制を整えています。また、HISに集積された医療情報を分析して、医療の質向上、病院の運営および経営の改善に有用な情報提供を行います。さらに、各診療科や他施設との連携による臨床研究や学生教育を実践し、次世代の医学と医療に役立てる活動を行います。
2018年10月1日
2000年4月 | 医療情報部が医学部附属病院に設置 |
2008年4月 | 医療情報学分野として大学院ヘルスバイオサイエンス研究部(現大学院医歯薬学研究部)に移行設置 |